鎌倉
流鏑馬・鎌倉
その日は朝から雲行きがあやしかったのです・・・。
でも、随分前からの約束がありまして・・・、ええ、幼馴染の友人が来月めでたく結婚なのです。
お祝いをかねて、それじゃあ鎌倉へ行きますか・・・とあいなりました。
という訳で・・・、やってきました鎌倉へ。
湘南新宿ラインの開通で、池袋から一時間ほどで鎌倉へ直通になったのは、体力のない人間にはひたすらありがたいのです。
乗り継ぎの連続では、たどり着くまでに疲れてしまうもので(−−;)ありがたや。
体力つけなくては・・・です。今日も頑張って歩きます。
さて鎌倉。
言わずと知れた鎌倉幕府のお膝元。
以前・・・若い頃、学生だった時には源頼朝が卒論の対照だった関係で、月に一度は通っていた土地です。
もう数え切れないくらい通った挙句、その土地の中を歩き尽くしておりますので(いえ、見る視点はかわいーショップとか、おいしーケーキ屋さんじゃなくって、おどろおどろしい山の中の中世の墓地・やぐらだったり、廃寺の跡だってりしますが−−;)今更にとりたてて回るお寺もないのですが、それでも鶴ヶ岡八幡宮だけは特別です。
ここに来たからには一度はご挨拶しなくてはならない場所。
京都の石清水八幡宮を関東に勧請して創建された源氏一族の氏神です。
石清水八幡宮、宇佐八幡宮と並ぶ三大八幡宮の一つで、歴史は古いのですが・・・今の社殿は江戸のもの。
ええ、鎌倉の時代は遠いです・・・。
海から一直線に伸びる若宮大路の一本となり、小町通りから間にひしめくお店をひやかしつつ北上します。
観光用人力車のお兄さんが客引きにひたすら声をかけてくるのは、京都や奈良とおんなじです。
「時給1000円でよく、バイトの広告入ってるのよー」
とは、今回の旅の道連れ、現在は鎌倉の地元民な幼馴染のTの言葉。
雨の中客引きとは・・・お仕事大変ですねー。

入り口の太鼓橋
かなり急な斜面ですが、一気に勢いをつけて上れば
男なら出世、女なら玉の輿間違いなし・・・といわれていましたが、
現在は老朽化から通行止めです(;;)

おや・・・参道のむこうに人だかり?
そして到着・・・。
雨のそぼ降る八幡宮。
と・・・あらあら?
参道の向こう側に人並みが・・・?
そういえば、この季節は春に開かれる「鎌倉祭」の頃合・・・、などと思い出した途端、
「ではただ今より、流鏑馬神事を行います・・・」
流鏑馬??
やぶさめです。そういえばそう、最近は京都平安ばかりに没頭して忘れていましたが、もうそんな季節だったのです。
しかも今から始まるとは、なんて幸運!
「やぶさめだって、見てもいい?」
と、既に万面笑顔の私に、ただ苦笑して頷くT。
彼女はまったく歴史関係に興味のない人間なので、流鏑馬だってそんなに見たいとは思わないはずなのですが・・・。
歴史に首までどっぷり浸かった幼馴染の性格はよく把握していらっしゃいます。
「わーい・・・」
喜び勇んで既に黒山の人だかりになっている、人垣に突入。
とっとと、スペースを見つけて潜り込んだ挙句、最前列前から二番目を確保です。
普段トロイくせに、こーゆー時だけ動きが素早い(−−;)
雨はざんざか降ってます。
神事はなかなか始まりませんが・・・しぶとくしつこく待ち続けます。
そしてようやく・・・、アナウンスが解説を始めました。
「なんたらという神事で、馬に乗って左回り、右回りすることにより、宇宙の陰陽を和合する働きが・・・うんぬん」
なとど言っていますが・・・、神前で行われている神事は人垣のさらに向こう側で、わずかに人垣の間から覗く馬の姿が見えるのみ。
「弓を引き絞り、天と地の邪気を払い、五穀豊穣と天下泰平、国民安堵を願います」
流鏑馬の神事に関しては・・・、古くは欽明天皇の時代に始まったとされていますが・・・もともと武芸を磨く武士の訓練が、やがて神の神前に奉納される神事になった・・・ってのが本当の所かと思います。
流鏑馬の本番、歴史舞台に華々しく登場してくるのも武士が政権を握った鎌倉以降です。
ですから神事としてではなく、訓練としての流鏑馬に興味があるのですが・・・。
これに関しては、創作のページ遥か『道場』の「弓手」だの「牧狩」だのでちらっと書きましたが・・・まだまだ調べる所、勉強する所のたっぷりな行事です。
はい、まだまだ精進がまったく足りないのです(;;)
そーこーしてる間に、降りしきる雨の中、馬が人垣を割ってやって参りました・・・。
鶴ヶ岡には本来馬場はないので、普段は道として参道を横切る小道・・・国宝館へ続く道に馬が走れるように砂を敷き詰めて、なをかつ人が入らないようにロープで規制しています。
よっぽどツテがある方などには観覧用の席が設けられていますが、その他の大勢はひたすらに道の端から覗き込むばかりなのがこちらの流鏑馬。
見学出来る場所の大半が本来人が入れない場所なので、見ずらいことははなはだしいのは否定できません(;;)
何時間も前からスペースを確保してガンバレば・・・きっと良い席もとれるでしょうが・・・なんせ今着いたんですもの。
こんな時間で、こんなに前まで来られたこと自体がすごい快挙でした(@@)
今回、私が陣取ったのは拝殿のまん前、参道の上です。
もちろんここからでは的の場所は・・・まったく人がいなければ見られる距離ですが・・・こんだけ人が大勢、しかも傘をさしているわけで・・・まず見られません。ただ、疾走する馬の雄姿と的を射る音のみに耳を澄ませるわけです(;;)
さらにアナウンスが続きます。
「ではここで、鎌倉観光協会会長の挨拶・・・・・・」
・・・いつ始まるんでしょう・・・?と、周囲から溜息。
「さらに、次は鎌倉市長の挨拶・・・」
まだですかー?さらに溜息。
「そして、今年のミス鎌倉のご紹介・・・」
もうどうにでもしてください。
ミス鎌倉の美人さんは、四人おられましたが、全員「茶髪」の「セミロング」のお姉さんでした・・・。
審査員さんの好みがもろに反映しているような・・・(−−;)
いえ、それもどうでもいいのですが。
雨がひどくて、なかなか始まらずに、
寒いです・・・(;;)
そして・・・ようやっとお馬さんたちが馬場に登場。
でも、参道を馬場が両断していて通行止めなので、馬の行列が通り過ぎるたび、いちいち封鎖を解除して参拝客と通行人を通します。
そしてまた封鎖して・・・。が、幾度も繰り返されます。
ええ、もうひたすら待ちましょう(;;)決して観光相手のイベントではなく、
本来非公開だった神聖な神事なのですから・・・これは。

何気に笑顔のプリティなおじちゃんです。
射手は五人。
おじちゃんから、お兄ちゃんまで・・・年齢層は幅広いです。
アナウンスは射手の方の名前と、馬の名前を案内します。
五番目のお兄さんが乗った「春風」が・・・、なんとなくお気に入り(^^)

的です
みんなレインコートなのです

むかばき(鹿の皮の腰巻)姿です
むかばきについては、「牧狩」で頼光さんが少し語っていて、感慨があります
的が定位置に着きまして・・・、馬を馬場に慣れさせるため、一直線に全力疾走させます。
既に傘をかなぐり捨ててカメラを構えますが・・・、周囲の方々の傘でとにかく確保できるスペースの小さい事・・・。
雨はさらに降ってます。
すでにこの時、Tはとっとと近くの喫茶店に避難しておりました(^^;)
お祝いに来たのに、ごめんですー・・・。
アナウンスは「後ろのお客様のために、傘は半開きで、馬が驚き射手が的を見誤るため、カメラのフラッシュはお切りください」
と繰り返していますが・・・、
まったく従わない人、素直に従う人・・・とにかく人は色々です(−−;)
早くに傘を仕舞い、フラッシュもオフにしておりましたが・・・。
何度か、周囲の方の傘の骨に刺され、フラッシュに目をやられました。
・・・・・・この国のマナーって?と、憂いているばかりではどうしよーもないので、さすがにとなりにいたおばーさんに、前のお姉さん方の傘の先が刺さった時は押しやって声を上げてしまいました。
「スイマセン、痛いんでやめてください」
はあ・・・、天下泰平国民安堵の神事ですのに・・・(;;)
人の振り見て我が振りなおせ・・・。
自分も気をつけなくてはですねー。

馬より、おまーりさんのが主役なアングルです(^^;)

馬・・・どこにいる?
左側・・・尻尾だけ捉えてますがな(−−;)

馬上の場合で・・・
弓と矢を担ぐ様子がよく分かります
ここでまたアナウンス。
「的を花で飾るのは、かつて的をはずした武士がそれを恥じ、自害したところ、神前で血を流してはならないとの事で、
後に花を周囲に飾り少しでも矢が花にかすれば、的に当たったことにした故事に由来します」
平家物語での那須与一もそーですが・・・、ええ、あの頃、面目の生き物だった武士は・・・命がけなのです。
たった一本の矢に命をかけてしまう所が、武士って職業なのですねー。
そこに「美しさ」を感じるか「命を粗末にして」と馬鹿に思うかは評価の分かれる所です(^^;)


撃つ的は三つ。
馬場の距離に比べて・・・、現在の馬は鎌倉当時の馬より大型で速いので・・・射手の技量が試されます。
ほとんど全員、が三つとも的を当てました。
お気に入りの春風ちゃんに乗ったお兄さんは・・・残念ながら三つ目の的は外してしまいした。
「雨のため、弓が滑りやすくなっており・・・」
アナウンスさんがフォローしてました。
五人の射手が終わり・・・まだ待っていれば、二番行事でまた流鏑馬が見られるようでしたが・・・。
これ以上tを待たせるわけにはいかないので、太鼓橋脇に改装オープンした喫茶店に向かいました。

手前では豊島屋のハトサプレーも売ってる、明るいお店に改装されていました。
でも、以前そこにいたペンギンの石像はどこかにいってしまいました。
出された紅茶は予想外にまともな味で・・・。
「堪能した?」
「うん(^^)・・・ありがとさん」
いまさらですが、おめでとうなのです、Tちやん。幸せになってねー・・・。