十二単ごっこ(^^;)
「不振の業界にあって、アンティークキモノだけが元気だ。なぜなら古着の装いはコスプレだからである。
それは”虚の衣装”。キモノごっこ、である。(中略)
京都を舞台にした物語は数かぎりない。感情移入の種はいくらでもある。京極夏彦の小説の登場人物にでもなったつもりで和装してその舞台となる史跡にでも出かければ、コミケで腋臭いおたくに囲まれているよりずっとリアルにうっとりできる」
by 入江敦彦「京都人だけが知っている」 洋泉社
より抜粋。
まあ・・・、京都の方(この本の著者は今はロンドン在住ですけど)
・・・がどんな視点でご覧になっていても・・・、歴史好きな人間にはキモノはちょっとした憧れであったりします。
武士の直垂が着たいなー・・・とか、浴衣の上にプリーツスカート履いて、腰巻姿など(^^;)
歴史が好きじゃなくっても、女の子ならゴーカなキモノ・・・ちょっと着てみたいかも(はあと)
なんて心をくすぐられる気持ちは分かるはず。
豪華な着物は我が国のドレスなのですから(^^)
セーラームーンしかり、FFX−2しかり。
ドレスアップして戦う女の子キャラに、うっとりしてしまうのは何も女性だけではないようですが(^^;)
さて・・・、笛は吹ける、巫女のバイトも経験あり・・・と、和風で粋な白珠様と違って、普段からしてまったく着物なんて着たこともない生活をしている身です。
でも、一度15キロ・・・と言われる十二単の重さを体験してみたいっ・・・とゆー、いささか不純な動機でトライです。
場所は、白珠様があらかじめ予約してくださっておられました。
地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅より徒歩五分。
「平安装束体験所」です。詳しい料金表など、HPもあるようなので、ご興味がわいた方はアドレスなどお訊ねください。(いえ、勝手にリンクしていいものか、問題ですので−−;)
普段から衣装を研究しておられる方が経営で、この着付け体験もそのための研究資金とのこと。
なのでとても知識が豊富なスタッフさんなのです。
さて、この体験所。一見すると民家なのですが・・・、玄関を上がってみてもやっぱり民家でした。
でも、低い天井と窓から見える小さなはこ庭。
やっぱり京都の家って・・・趣があります。
着替えを担当してくださるのは、女性二人です。
このうちの一人が着物の研究者。
とても明るいおばちゃんなのです。
そして・・・まず出されたのが、白い下着の着物と、足袋、そしてシャネルの真っ赤な口紅。
口紅・・・?(^^;)
暗い町屋なので、真っ赤・・・なルージュを引いていないと写真によく写らないとか。
ふむふむ。

足袋は二種類。
先が丸いのが、昔のもの。
今のは指が割れているのです。
足袋を履いて、じたじた・・・(−−;)
試行錯誤しながら下着を身につけます。
浴衣のよーな薄い生地の真っ白いキモノです。
平安の時代でしたら、この下着をつけないで裸でいきなり袴を履いていたと言いますが・・・。
長い歴史の変遷で今はこの下着の着物を着てから、袴を履きます。
着替えた所で、場所を移動。
几帳が立てかけられた撮影所兼、着替所です。
十二単は一着しかないので・・・。
二人で同時に着るには、小袖の着物と、十二単とを取りかえっこして順番に着ることになります。
まずは私が十二単を着させていただく事になったので、着替えは手間のかかりにくい小袖を着られる白珠様から始まりました。
初めに赤い袴を纏い・・・、
では、着る順序を撮影(^^)
と、カメラを構えましたが、着替え中の準備が出来ない間は撮影はご遠慮してください。
との体験所の方のお言葉。
残念です(;;)
着物の着方には・・・、藤姫がいた頃は流派もなにもないのですが・・・。
鎌倉・室町から「高倉流」「山科流」に分化したそうです。
こちらの着付け方法は山科流。
これを着物の着付けの作法・・・衣紋道(えもんどう)と言います。
とかなんとか・・・、私もまったくよく分かってないのですわ(^^;)
時代が下れば下るほど・・・、ここはこうしなくてはいけない・・みたいな決まり事が出来て・・・それがまた時代ごとに変化して・・・有職故実の世界になります(@@)
有識は「こうあらねばいけない、宮中のしきたり」
故実は「昔の例」
あうっ・・・難しいのですっ(><)
難しい解説は置いといて・・・、
単に体験レポート・・・続けます。
(はい、勉強不足で申し訳ございません)
さて、白珠様が美しく小袖をお召しになられたあと・・・、ついに十二単の重さ体験です。
とと、その前に・・・。
十二単と言っても・・・本当に12枚着ているわけではありません。
正式名称は、唐衣裳装束。
12ってーのは・・・まあ、ハリセンボン(千本針がなくってもハリセンボン)のノリですね。
とにかく・・・「姫になった気分で着てください」と、スタッフの方のお言葉。
「はい」
「そうではなくって、よきにはからえ・・・。この気分です」
「・・・はい(^^;)」
直立不動で立った前後に、着付け係の女性に囲まれます。
まずは、緋色の袴を履きます。
本当は未婚の女性は濃色(こきいろ)とゆー・・・紫の濃い紅色の袴を履くのですが・・・。
こちらでは既婚を現す緋い袴です。
今では神社の巫女さんの衣装でおなじみですね。
(巫女さんは・・・意味合い上、神様の奥方なので緋袴)
この袴・・・長いです・・・めっさ長いです。
遠山の金さんもびっくりな・・・ズルズル袴。殿中でごさる〜・・・な長さなのです。
確かに・・・これで走り回るお姫様ってあんまりいなかったはずです。

袴を来た所で・・・撮ってくれました。
着付けをしつつ・・・撮影もこなす。
スタッフの方はものすごい大変なのです。
次に単(ひとえ)と呼ばれる裾の長い一枚の着物を着ます。(ひとえ・・・って一枚って意味ですものねー)
この上に・・・、打ち衣を着て、更に五衣(いつつぎぬ)と呼ばれる色違いの着物を重ねて・・・襟元にグラデーション・・・つまり襲(かさね)をつけます。
今度は表着(うわぎ)と・・・どこまでも重なる着物。
更にっ、ボレロのよーに短い唐衣。
そして腰に巻く裳・・・ずるずる長いです。
振り返れませんっ(><)
「学生さんなんですか?何学科?・・・ウチの娘も史学でねー。でも、こーゆーことに興味なくって・・・。でもこうやって話しておけば、誰かの記憶に残って・・・後世に残るでしょ」
なんてことを、京都の言葉で仰りながら手早く着せかけられていきます。
どんどん重なる着物・・・。
「お・・・重い(;;)15キロくらいあるって・・・聞きましたが、何キロくらいありますか?」
「15キロはありますねー」
・・・やっぱり。
ずんっ・・・、背後からおぷさりおばけ・・・がいる気分。
とにかく重いです。
撮影は・・・自前のカメラがあればそれで撮ってくれますが、300円のフィルム代で、こちらの体験所にあるカメラでも撮影可です。
「はいっ、じゃあ撮影しますから・・・、立ってこっち向いて」
「・・・・・・・・・(努力中)・・・・・・・・・立てません(;;)」
一歩動くごとに・・・うりゃあっ、と気合が入ります。
本気で重いです・・・。
「はい、こっちに向いて」
「・・・・・・はい・・・」ずんっ(;;)
デジカメだったので・・・、とりあえず200枚位撮っても大丈夫・・・。
といいましたら・・・、おばちゃん、本気で180枚以上撮ってくれました(^^;)
サービス満点なのです。

何故か頼久さん代役・・・?
2000円の別料金で、かつらも借りてみました。
自前の茶髪の花梨ちゃんヘアでも撮ってもらいましたが・・・、
気分的には黒髪ってのがこの装束の基本ですからねー(^^;)

チラリズム・・・?(^^;)
手にした扇は・・・これまた、研究者であるおばちゃんが、ちゃんと絵師さんに頼んで作ってもらったもの。
ものすごーく高いそうなので、開いての撮影はほんの少し、素早く行います。
描いてある柄も、おめでたい縁起物の言われがいっぱいなのです。
それ以前に・・・着ている着物の紋や色からして、向かい合わせの蝶とか・・・縁起物の意味合いが盛りだくさん。
貴族たちがこうした衣装を作り上げていった背景には、華麗な王朝文化の栄華が永久に続け・・・と願いがこめられていたのかもしれませんねー。

小袖姿の白珠様@友雅さん(左)と、十二単の東風@頼久さん(右)

半端じゃなく長い裳(−−;)
ここで衣装をチェンジ。
十二単は腰紐一本で留めていますので、脱ぐのは簡単。
重ねたまんま、ずるりんっと脱げます。
これが空蝉の技です。
続いて十二単を重なったまんま、うりゃっと着込む白珠様。
代わりに白珠様がお召しの小袖を着てみたら・・・。
うわあ(///)軽いのですー。
とにかく動きやすい(^^)
小袖の方が断然、現代人向きです。
で・・・十二単白珠様と小袖東風に変身完了。

ドレスチェンジ(///)
十二単友雅さん@白珠様と、小袖頼久さん@東風
身軽になって嬉しくなったので、東風女房と白珠姫ごっこ・・・(^^)
とかやらかしてますと、スタッフの方から、
「正装している方が、小袖の人より身分が低いんです」
とダメだしが入りました・・・。
ええ、女房は主人に敬意を表して正装なのですものねー。
対する主人は、軽装でOK。知ってましたが・・・やっちゃいました。
良いではないか・・・良いではないか。なのですわ(^^;)

だって白珠様のが気品があるのですものー(^^)

後姿だけは美女に見えます・・・(−−;)
こうして・・・着替えと撮影で・・・所用三時間。
たっぷり堪能です。
でも、着物の意味もなにもなく、ただ観光客相手のみでコスプレしてくれるお店・・・時間がない時はそれでもよしなのですが・・・。
時間に余裕がありましたら、こうして知識が豊富な研究者のおばちゃんの語りを聞きながら、実地体験してみるのも素敵なのです。
さて・・・ここで別のお話。
こちらの撮影で・・・謎の発光体がいっぱい映っていたのです(^^;)
ええ、撮影した枚数も多かったですが・・・映っていた枚数も多い。
白くて丸い、オーブです。
いやな感じはなかったのですが・・・、さすが歴史のある町だなー・・・と実感したものです。
古い家にいたオーブさんたち、お騒がせしました。
お邪魔しました。
素敵な体験をありがとうございました。
