墨染へ
京都に出張・・・。
と言っても、スケジュールは目一杯お仕事三昧なわけで・・・、
「わーい、遥かなる京を満喫(はあと)」
などと、言っている場合ではないわけで・・・(;;)
でも、めったに京都まで出かけられない関東人。新幹線の切符は、貧乏人には高すぎるのです(;;)
ここは一つ、必要経費でチケットを買ってもらえる今を機会に、行かずにいいのか墨染へ?
いや、行かばなるまいっ(疑問反語)
たとえあまりの激務に入退院を繰り返すような職場に勤めていようとも、国宝の宝庫、千年王城京都への旅は満喫したいのです。
とは言え、個人で使える時間は丸一日もないわけで・・・、帰ったその日には報告書書きがあるわけで・・・。
翌日は朝から会議・・・とくれば、一日だけお休みをもらったとしても、どうあっても自由になる時間は短いわけで・・・。
限られた時間で、一体どこへ、どのルートで回ればいいものか?
それが最大にして最強の難問なのです。
何故なら・・・、私の旅はいつも行き当たりばったり。
定時に車は発車しない、次の都市への移動のチケットも運が良ければいつかは手に入る・・・はず。
と言う、中国大陸で培われた旅行スタイルでは、適当に歩いていけば何かにぶち当たる・・・。
とゆー、実に大陸的アバウトさが既に確立されているわけで・・・。
京都市内の地図を前にして、早くも交通網からルートの構築に行き詰まったのでしたが・・・。
はい、幸運なことに、直前に京都旅行をされた「ミーとごまのページ」(ミ−様の素敵なサイトは、こちらからどうぞ)のご主人様であられます、ごまりん様の懇切丁寧なプロデュースにより、見事に華麗にして緻密かつ、完璧なルートを作成して頂きました。
その他にも、「居酒屋さん」(チャットの事です)にいらっしゃいます皆様に、たくさんの情報を頂きまして、無事計画を立てることが出来ました。
この場を借りまして、あらためましてお世話になりました方々に、御礼申し上げます。
礼。
さて、必要書類の作成に追われつつ、書き途中の創作の完成にも至らないまま、やって参りました、京都です。
まあとにかく何とか、架されたお仕事をやり終えた翌日。
前日の「斎宮夢行列」と、明日の「時代祭」が見られない・・・(;;)
などと泣き崩れる暇もないまま、コンビニで前日までに買ってありましたサンドイッチで朝食を済ませ(ええ、どんな時でもエネルギーの補給は大切なのです。計画ルート完全制覇を目指すのならば、健康第一なのです)
朝の八時より少し前、ホテルを出発いたしました。
荷物になるので、最低限のものだけバックにつめて、あとは関東に宅急便で送りました。
前日から降り続いていた雨は相変わらずですが、見上げる空はかなり明るい様子。
この分ならば、途中で止むはず・・・と踏んでの出発です。
季節は十月の下旬、天気は雨。でも蒸し暑さで歩くと、すぐに汗をかく陽気です。
ホテルは京阪電鉄の路線上でした。
まづは「京阪墨染駅」を目指します。
駅を降りて、すぐに橋がありました。通学中の小学生の列とすれ違いながら、橋を渡ったらいきなりそのお寺はありました。
駅から徒歩五分くらいで着くのですね。

深草・・・とありますが、小野小町の「深草の少将 百夜通い」(友雅さん談)の伝説の深草少将となにかゆかりがあるのでしょうか・・・?
そーいえば、京阪の駅名にも「深草」がありましたが・・・。
などと考えつつ、誰一人いない境内に踏み込みました。
山門をくぐってすぐ目の前が本堂。周囲はたくさんの木々が植えられている、閑静なたたずまい・・・です。
深草の 野辺の桜し 心あらば
今年ばかりは 墨染に咲け
「墨染」と言うのは、清和天皇の時代、歌人 上野峯雄が時の関白 藤原基経を悼んで、今年だけは喪の色に咲いてくれ・・・と歌ったことから、以来、墨染の桜は薄墨を含んだ色に咲くようになった・・・とゆーことからきているそーです。
まずはご挨拶・・・本堂のご本尊様を参拝します。
本堂に掲げられている立派な扁額には「桜寺」の文字。
墨染の桜が有名なので、このお寺の別名は「桜寺」と言うそうです。
ご本尊にご挨拶してから、ふと境内へと振り向きます。

本当でしたら桜の季節に来たいですが・・・、とりあえず、その桜を探してみます。
境内にあって目立つのは本堂の左斜め前に立つ大きな桜でしたが・・・、本堂の右脇にも少し細めの桜があります。
これが墨染の桜ですか・・・と思いきや、発見しました。
本堂を背中に立って、左手・・・、手入れされた小さなお庭の中に、まだ本当に若い細い桜の木がありました。

可愛らしい桜の木です。
それが春になったら、きっと薄墨の喪の色を纏った、花を咲かせるのですね。
今回、京都に来て一番見たかったのがこの桜の木です。
主人の逝去を悼む家臣の心に反応して、自分も喪を纏った・・・という伝説のある優しい桜です。
雨の中、若い桜の木と間向かっていると、感無量になります。
いつか機会がありましたら、ぜひその雲のような花を見てみたいものです・・・・・・。
2002年10月25日 午後 8:06:39